当店の主が約10年前の冬に新潟・月不見の池醸造元の猪又酒造さんを訪れた際、その年に仕込まれた月不見の池 大吟醸のモロミ(アルコール発酵中の柔らかいお粥のような液体)を飲んで
と杜氏さんに言いました。
大吟醸にする予定だった杜氏さんは驚いた顔で、猪又酒造の社長と目を合わせました。すると、社長と杜氏さんはそのモロミを飲み、
そんな二人の「絞りましょう」の一言は、短いながらも様々な思いのこもった言葉。
「大吟醸と純米大吟醸の違い」
大吟醸は、このモロミの中に醸造アルコールという高濃度のアルコールを入れてモロミのアルコール発酵を止めてその後絞られて、酒粕と清酒に分けられます。 しかし純米大吟醸は、醸造アルコールを入れず、モロミを絞ることによってアルコール発酵を止めてつくられます。
「杜氏(とうじ)」とは
杜氏とは、高い醸造技術と香りや味わいをしっかりと見極める確かな味覚を持ち、酒の酒質を定める現場の監督。 そして、蔵の社長は代々受け継がれた味を守りながら、その時代に合った方向性を定める総監督。
「田」の「心」と書いて「思」。
思という日本酒は、 モロミの「このまま絞って」という心の声。
作り手の美味しいものをつくりたいという思い。
売り手の美味しいものを届けたいという思い。
様々な思いが偶然にも重なり生まれた日本酒です。
邂逅(かいこう)とは偶然の出会いの意
邂逅 思は約3年の熟成されたお酒です。
古酒特有の味わいは無く、まだまだ鮮やかさを感じるタイプです。
時間だけが与えてくれる円熟味を纏い、飲めば飲むほど旨さを感じる、当店お薦めの純米大吟醸です。
特にオススメしたいのが父の日などに贈り物として、誕生秘話と共にご賞味頂きたい日本酒です。

邂逅 思 純米大吟醸
程良い甘み、月不見の池、奴奈姫とはまた一味違う、美味しい原酒の純大吟です。穏やかな香り、芳醇な含み香、喉を通り抜けるお米の味とコク。呑めば呑むほど美味しくなる不思議なお酒です。